OBLIVIONプレイ日記 その112007-12-06 Thu 03:02
前回までのあらすじ 『暁の道』四巻を入手するため、脳筋ブレイズと共に下水道へ潜入するネコさん はたしてそこで待つものは…… ![]() ボーラスに案内されてついたのは、路地裏にあるマンホールだった。 帝都地下に、網のように張り巡らされている下水道。そのどこかに、暁の教団員が潜伏しているという。今回のミッションは、その相手と接触、敵本拠地の場所を探るため、『暁の道』第四巻を入手するのが目的だ。 「行くぜブラザー、俺に付いてきな!」 「はいはい……」 やけにテンションが高い隠密ブレイズの後に続き、下水道へと歩を進める。 薄暗い下水道は、本来ならネコさん得意のスニーク戦法が活かせる戦場だが、隠密のはずのボーラスには、忍び足で歩くという発想すらないようだった。 それどころか、ゴブリンや蟹を見つけるや、雄たけびを上げて突撃してしまうのだから始末に負えない。 ホントにこいつブレイズの隠密なのか。 そういや皇帝が暗殺された時も、防御に有利な最奥の小部屋を飛び出して広間で迎撃戦した挙句、ド素人&得体の知れないネコさんに皇帝護衛を任せるなど、プロとは思えない不手際が目立った。 ひょっとしたら、あまりに使えないので実戦部隊から左遷されたのかもしれない。 そんなことをネコさんが考えていると、脳筋はある扉の前で立ち止まった。 ![]() 「ここだ。テーブルなんざ誰が置いたのか不思議だったんだが、まさか敵の根城だったとはな!」 いや調べようよ。それが仕事でしょうがアンタ。 と、いう言葉が喉の奥まで上がってきたが、ボーラスがやけに真剣な表情をするので、ネコさんはそれをぐっと飲み込んだ。 「よし、敵との会合には俺が行く。お前は万一に備えて、上から援護してくれ」 「はあ……」 「……聞いてくれブラザー。俺はここで死ぬかもしれない」 「え……」 「俺たちはなんとしても、本を手に入れなきゃならない。俺が死んだら、後は頼むぜブラザー」 言って、彼は苦く笑い、こちらに親指を立てて見せる。 ネコさんは急に、この男が好きになった。 脳は若干筋肉質だが、彼は彼なりに、皇帝を死なせた責任を感じているのだろう。 その職務が要求するところには、少し単純過ぎる気もするが、自分の責任を、命をかけて果たそうとするその姿勢には、愚直であるがゆえに好感が持てた。 「……いや、敵との接触は我輩がやるッス。あんたには援護をして欲しいッス」 「ブラザー!?」 アミュレットを盗まれた責任を無関係な部外者に押し付けて、自分は砦にヒキコモリな無能ハゲより、彼のような男のほうが、何倍も生き残る価値がある。 それにだ 「あんたになら、背中を任せられるッス。たのんだッスよ、『兄弟』」 ポン、と彼の肩を叩いて、ネコさんは扉へ向かった。 向かいながら、奇妙な不快感を感じている自分に気づく。 ボーラスを死なせたくないという感情はある。が、自分を動かしたのが、それだけではないのも確かだった。 微妙な敵との駆け引きを、彼よりは自分のほうが上手くやれるだろうという、それは冷徹な計算だった。 といって、確実にやれるかというと自信がない。今からでも彼に任せたほうが――いや、一度言ったからには取り消すことも――ああ、糞。なんで我輩はこう―― 要するに、だ。 本質的に臆病なネコさんは、ボーラスの健気と、良い意味での単純さを羨望しているのだった。 ![]() 扉をくぐり、メモの指示通り席に着くと、真っ赤なローブを着た怪しい男が近づいてきた。 間違いない、「暁の教団」団員だ。 ネコさんは、嫌な汗が背中に吹くのを感じた。元々、腹芸は得意じゃない。 「お前がそうか。お前は、メェルーンズ・デイゴン様に選ばれし者への、仲間入りを望むのだな?」 メェルーンズ・デイゴン。破壊のデアドラ神。世界を滅ぼす悪鬼にして羅刹。 ネコさんとしては、そんなものと伍するくらいなら、ネズミとラインダンスでも踊ったほうがよほどマシなのだが、とりあえず無言で頷いておいた。 相手は、そんなネコさんの内心には気づかず、満足げな顔で言葉を続けてくる。 「暁への道は厳しいが、その褒美は……」 相手が、そこまで言ったところだった。 「Come on! You never take me down!!」 大音声を発して、ボーラスが頭上から駆け下りてくる!……って、ええっ!? 「き、貴様らっ……!」 あ、ヤバ。 とりあえず、腰のモノを抜きかけた目の前の男を、横から叩き伏せて黙らせる。 ほどなくして、周囲は静寂に包まれた。 ![]() 気づけば、同じ服装の男達が3名、床に伏している。 どうも、周囲に隠れていた「敵の援護役」と、ボーラスが鉢合わせした結果らしい。 とりあえず彼は無事らしく、ネコさん自身もケガはない。 それはいいのだが―― 「……どうするんッスか、また皆殺しにしちゃって」 死体は黒幕や情報をしゃべらない。 幸い、第4巻は最初の男が懐に持っていたから入手できたが、もし敵がもう少し用心深くて、宝物をあっさり見せないようなタチだったら―― 「……どうするつもりだったんスか?」 「さあ? まあ、いいじゃないかブラザー 目的のブツは手に入った。それで俺には十分さ。ハハハハハ! おまけに、クソ共を三匹も始末してやった! いい気味だ! ハハハハハ!」 ボーラスは上機嫌で、軽く手を振ると、祝杯をあげると言って去っていった。多分、帝都のあの店だろう。 ネコさんは彼の背中を見送ると、慨嘆した。 ああ、 彼のように――単純であることは、おそらく素晴らしいのだろう。 まあその、ああ、つまり――彼自身にとっては素晴らしいのだろうが―― 周りの人間が、あまりに気疲れしすぎてしまうのだ。 |








